2019/01/18: 【うつ休職からのリハビリ・復職について】

昔から、笠原嘉先生の「うつ病の小精神療法」というのがありまして、これはうつ病治療における一つのゴールデンスタンダードだと思います。

1,うつは病気で、怠けではない
2,できる限り休養を取れる環境を作る
3,抗うつ薬を十分量、十分な期間、欠かさず服用する
4,治療には、6か月かかる
5,一進一退がある
6,自殺しないように約束する
7,治るまで、重大な決定は延期する

それにゴテゴテと付け加えた、リハビリ・復職についての個人的意見を載せてみます。
カウンセリングに来て頂いた休職中の方については、1から順番にやってく感じですが、すでに4辺りの方だと治りも早いです

1,『休める環境づくり』
・精神科に行って、休職診断書を貰う
・(休職診断書に書かれていることとは別に)主治医に病名を確認する
・診断書を職場に手渡し、または郵送する
・休職の期限、残りの有給、傷病手当について確認する

2,『休む』
・実家があれば実家に帰る、実家からヘルプに来てもらうなどして、家事育児などの負担を減らす。
・無ければ、家事代行サービスや入院などを利用して、負担を減らす
・24h以上過去のことも、未来のことも考えないようにする
・入院のような低刺激状態を作る(外出しない、人と関わらない、など)

3,『生活リズムを整える』
・決まった時間に起きて、決まった時間に寝る
・決まった時間に食べる
・(可能なら)決まった時間に運動する
・(可能なら)散歩して陽の光を浴びる

4,『軽作業』
・それほど複雑でない作業(家事など)を行う
・それほど計画が必要でない作業を行う
・新聞、雑誌を読む。読書する。
・適度に必要なものを買い物する

5,『中作業』
・1日の計画を朝に立てて、実行する
・家事や育児を一定量受け持つ
・外出して、人目のあるところで読書や作業する
・家族以外の他人と関わる
・知識を得るために勉強する

6,復職リハビリ1
・家の外で過ごせる時間を徐々に増やしていき、8時間程度外で居れるようにする
・毎日2時間程度運動する
・かなりの量の家事・育児をする
・他人と関わり自分の意見を表明したり、人の意見を聞いたりする
・友人と遊ぶ
・再休職の防止策を立てる
・不安症があれば、治療する

7,復職リハビリ2(休職中の職場リハビリ)
・「休職中だが、職場に行っても構わない」と書かれた休職診断書を貰う
・仲の良い同僚・同期と職場の外で会い、意見交換する
・(居れば)産業医や保健スタッフと会い、意見交換する
・職場の上司や人事部と関わり、休職中の出勤が可能か尋ねる
・主治医と相談し、復職時の業務軽減について相談する
・(休職中の職場リハビリが可能なら)職場に短時間出向いて、責任のない作業をさせてもらう
・(近くにリワークプログラム提供施設があれば)リワークに通う
・再休職の防止策を実行する。必要であればスキルトレーニングを行う。

8,復職リハビリ3(業務軽減中の職場リハビリ)
・「復職可。ただし業務軽減」と書かれた復職診断書を貰う
・決められた時間までに終えられる作業を淡々とこなす
・時間が来たら終わってなくても帰る。残業しない
・職場の人と、当たり障りのない雑談をする
・銭のためと割り切って仕事をする
・ストレスを増大させる苦手な業務があれば、変わってもらうか、スキルトレーニングで克服する
・家に帰って、家事育児する

9,復職リハビリ4(業務軽減のない職場リハビリ)

・残業はなるべくしない
・まだうつ病は治っておらず、通院も服薬もしているとPRする
・業務軽減のない職場リハビリが、順調に、半年続いたら、主剤を減薬する

【復職リハビリにあたって、おそらくしない方が良いこと】
・自殺
・離職
・県外に旅行するなど、気晴らしのために時間やコストを大きく割く
・大きなこと(大旅行、大掃除、大恋愛など)
・人生に大きな影響を与える決定(結婚、離婚、同居、別居、新築、転職など)
・ふとん療法(ただひたすらゴロゴロしてスマホいじってる)
・億劫さに全負けする
・外出しない
・家族以外の誰とも話さない
・復職にあたって部署異動する
・復職前に主剤を減らす
・休職していた分を取り戻そうと人一倍頑張る
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投稿者: 西川公平
2019-01-18 12:43
カテゴリー: うつ・躁うつ病

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