2018/06/16: 「人との距離のとり方が難しい」という困りごと

「人との距離のとり方が難しい」という困りごとは、時々ある困りごとです。
そんなクライアントさんに喋ったことについてアレコレ書いてみます。

人との距離には当たり前ですが、「人」と「距離」という2つの概念が入っています。これを分けて考えてみましょう。

「人」というのは、重要な他人から、重要でない他人まで、色々います。
ここでは対人関係療法の分け方を流用して4つに分けて考えます。

・重要な他人とは、ひとつ屋根の下で生活をともにする人のことです。要するに家族や恋人などがそれに当たります。
・親しい他人とは、友達とかのことです。ちょっとした事やどうでもいい事をLINEや電話で伝えあうような人のことです。休みの日に一緒にでかけたりする人のことです。パートナーの両親や家族などのいわゆる姻族関係の人達もここに入ります。
・知人とは、お互い知っている人のことです。会社の同僚や、サークルのメンバーが入ります。よく行くお店の店員さんなどもここに入ります。
・赤の他人は、赤の他人です。お互いに知り合いでない人のことです。近所の人などもよほど親しくない限り、ここに入ります。

対人関係療法的には、「重要な人とは親しくせよ。重要でない人とは親しくしなくてもいい」という超シンプルな心理教育を行っていますが、それはそれで、まあそうなのかもしれません。

私なりに考えて、相手が重要かどうかを調べるアセスメントとして、「入院テスト」というのをしています。
やり方は簡単。
あなたが入院しました。その相手は一人でお見舞いにきますか?
もしくは相手が入院しました。あなたは一人でその人の見舞いに行きますか?

一人でも行く場合、その人は親しい他人です。しかも生活の世話をしたりされたりする場合、その人は重要な他人です。
一人では行かない場合。その人は知人です。例えばグループでなら行くとか、お見舞金を集めてたら幾らかカンパするとか、そういう場合はその人は知人です。
見舞わない場合は赤の他人です。お店でレジ打ってくれたとか、道ですれ違ったとか、そういう他人です。


さて、「距離」の話です。距離の説明は2種類あります。
一つの説明は、先程の対人関係療法に則ったものです。
「重要または親しい人と問題が起こったら問題解決に力を注げ。知人または他人と問題が起こったときは、どうでもいいと流せ。」
つまり重要度合いの重い軽いに合わせて、悩むなり対処するなりをせよというのが大事となっています。
つまり他人との関係に悩んだときは、まず重要度をチェックして、相手が重要なら問題解決の方向に、重要でないなら捨て置きましょうというのが一つの距離のとり方です。

もう一つの説明は、やや似ていますが、関係性の発達段階?の話です。この話は割と年若い人にすることが多いです。
人は最初に生まれてきたときは親子関係とか家族関係とかファミリー関係のもとで育ちます。
その後保育園や幼稚園や小学校に行き始めるに連れて、友達付き合いが増えてフレンド関係というものが新たに構築されます。フレンド関係は、学生期間はずっと続くので、気の合う人とはつるめば良いし、気の合わない人には近づかなければよいのです。
そして、仕事を始めるにあたってビジネス関係という新たな関係が発生します。しかし、20年近く培ってきたものとは違う関係にちょっと戸惑われる方もおられます。
ビジネス関係というのは、企業で言えば利潤という目的に向かって、大勢が共同作業をする関係です。
先のファミリー関係やフレンド関係においては仲良くなることや好きになることが大事なことでしたが、ビジネス関係においてはむしろ大事ではありません。
そこには友情もなければ、自己実現もなく、好き嫌いなどが入る余地はありません、、、と言いたいところですが、そこに好悪の情が幾らか混じってしまうのも致し方ないことなのです。

しかし、なるべく好悪の情などを育てないようにする努力は大事です。
誰かをあまり嫌いになっても、逆に好きになっても、ビジネス関係はうまくいきません。
距離が開きすぎないようにも、詰まりすぎないようにも、気を配るのがビジネス関係です。

ここで、「仲は良ければ良いほど素晴らしい」という、ファミリー&フレンド関係のルールが誤解させてしまうことがあります。

「好かれる」とか「なりたい自分になる」とかをビジネス関係に求めること自体が、間違っています。
ビジネス関係は割り切った関係ですので、愛情や友情や社会正義などはむしろ、プライベートやファミリーやフレンドの関係で満たすようにしてください。


グダグダ書いてきましたが、要するに、問題は2種類です。
・重要な他人と距離が開いてしまっている問題
・重要でない他人と距離が詰まっている問題
もし両方に困っているときは、まず、重要な他人とある程度いい関係になることを目指したほうが良いと対人関係療法ではされています。


具体的にどうやって、距離の問題を解決していくのかについては、また気が向いたときに書いてみます。

対人関係療法と、認知行動療法 〜その1
http://cbtcenter.jp/blog/?itemid=1063


対人関係療法と、認知行動療法 〜その2
http://cbtcenter.jp/blog/?itemid=1434
投稿者: 西川公平
2018-06-16 17:33
カテゴリー: 雑談

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