2016/12/12: ポストソリューション&オープンダイアログ、アンティシペーションの研修会に参加して①

認知行動療法の研修にもいささか食傷気味という事もあり、ポストモダンと言われる心理療法の一つのなれの果てである、オープンダイアログの研修会に参加してみた。
主催はNagoya Connect & Shareの白木先生。CBT Case Campなどにもご参加いただいたりと、日ごろお世話になっている。



さて、復習というか、何というか、まずはリューションフォーカストアプローチ(SFA)(Solution Focused Approach;解決志向アプローチ;解決志向短期療法)から。まあでも知らんので、wikiから引っ張る。
〜〜Wikiによると
BFTC
(Brief Family Therapy Center)で研究され、スティーブ・ド・シェイザー、インスー・キム・バーグを中心に開発された心理療法。ソリューション・フォーカスト・ブリーフ・セラピー(Solution Focused Brief Therapy)とも言う。解決志向アプローチなどと訳されている。短期療法(ブリーフセラピー)のひとつ。

従来の心理療法諸派とは異なり、原因の追究をせず、未来の解決像を構築していく点に特徴があり、結果的に短期間で望ましい変化が得られるとされている。

SFAでは、まず、クライエントの問題を傾聴しながら、コンプリメント(労う、認める)を十分に行い、例外(クライエントの問題が起こっていない状態)や解決の手がかり(リソース)をクライエント自身が探索できるように、様々な質問を行う。それから、ウェルフォームドゴール(よく形成されたゴール)について話し合う。SFAの質問には、ミラクル・クエスチョン、コーピング・クエスチョン、スケーリング・クエスチョンなど特徴的なものが多く、クライエントとカウンセラーとの関係性のタイプを査定し、それに応じて質問や提案を選択する。最後に次回までの提案をし、次の回の面接では、「何が良くなったか」を詳しく尋ねるという流れをたどる。
以上wikiより〜〜

という事らしいそうです。んー、まあ、心理臨床してるなら、引き出しに入ってても損がない、コンパクトなツールですね。

で、ポスト・ソリューションとは?
ま、知らんので、適当に書くと、SFAは「クライアントの中に解決があるから」と規定しつつも、それは「セラピストによって導き出されなければならない状態」であるのが前提というか、なんだかんだと解決を引っ張り出そうとする『解決強要感』が否めない。
クライアントは、少なくともセラピストの問いかけに反応し、セラピストの面前で何らかの解決を言語化する事を、セラピストから期待されている場に、望むと望まざると、おかれる。

それ?ホントに必要?解決ばっかりに焦点付けられると、ウザくね?

てなことで出てきたのがポスト・ソリューション。「クライアントの中に解決がある」という規定そのものは変わらない。解決を抽出する時に、セラピストの存在が一役買うというのも変わらない。
何が違うのかと言えば、セラピストは解決の方に引っ張らないという所が違う。セラピストはいわば、「そーゆーことを話しやすい空間・状況・環境」の維持・管理に持てる力を注ぐのであって、どこかに持っていこうとはしない。

何でこうなったのかというと、まあ結局解決を引っ張り出すための質問ってのは、あくまでセラピストが規定している解決とクライアントの現状における橋渡しであって、言わされてる感否めないというか、それホンマにナチュラルに出てきた解決かよ?言わせてんじゃないよ。って話になる。

ポストソリューションからみると、ソリューションは居酒屋で若い女性に絡むウザいおっさん「なんでも悩み事が合ったら聴くよ。僕で良かったら話してごらん。うまくいかないなら違うことしたらいいんだよ。もし僕が魔法使いだったら、君はどんな願い事を唱えるのかな?おっと、問題ばかりに目を向けちゃダメ。解決した姿を思い描くといいよ」レベルにちょっと、それ…という感じになる。
ポストソリューションも、まあ同様に飲みに行ってるけど、特にそんなこと喋れって言ってないけど、若い女性が悩み事を喋りやすい雰囲気になっている仕様。なんなら、飲みに行くのか、ピクニックに行くのかも、相手にお任せ。あくまでクライアントに導いてもらう。

そんな感じで「どっかに持ってこうとしない」特徴に加え、もう一つポストソリューションの特徴は、『「語るという事」についての語り』を促す問いかけが、他に比べて多いことだ。「それを喋ろうと思った経緯について教えてください」、「そー喋ってみて、今どんな感じですか?」みたいな、喋りへの喋りってのが結構ある気がする。

ま、間違ってても、知らんってことで、ここまででポストソリューションの話はおしまい。
ここからがオープンダイアログ・・・と思ったら、コラボレイティブセラピーについても、ちょっとだけ喋っとかなあかん雰囲気。
んー、・・・

セラピストとクライアントが上下関係ってのも、もうすでにそれで色々ガチガチ規定しちゃうよね。セラピストだからこうだとか、ああだとか、それ取っ払わないと、セラピストが取っ払えない役割のようなものを、クライアントに取っ払えってのも無理難題やろ。みたいな感じで、まあ、フェアーですよ、って感じを大事にしようとした雰囲気のおしゃべりかな(テキトウ)。
そーゆーのは多分、一時流行ったナラティブから来た、リフレクティングなんかからしても、「『“クライアント達の語り”を基底としたセラピストたちの語り』をクライアントが聞いてフィードバックすることによる、両者のドミナントストーリーからの脱却」みたいなしっぽ喰った蛇感ある流れとも、それなりに趣を同じくしているっぽい(気がする)。

私が思うにオープンダイアログは、上のポストソリューション(とコラボレイティブとかリフレクティング)に、TPO(Time、Place、Occasion)をぶっこんで、三回ひねって、エイってしたやつみたいなもんだ。

なんせ、オープンダイアログは、相手から連絡貰ったら、その相手の家に行っちゃう。しかもすぐ行っちゃう。そして困りごとについて、本人や家族が喋る機会を、前述の“どこに持っていくでもない”、“上下関係のない”体で、専門家として構築し続ける。
まあ、“拙速は巧遅に勝る“とか、“事件は現場で起きている“とか言いますからね。「じゃあ、すぐ、家、行きます」は強い。

でもまあ、そっからしてある種の態度というか、専門家が「困ってるって言うなら、来いや」って呼びつける感じじゃないですからね。でもさすがに、「呼んでくれたらお金上げます」とまではいかないみたいだけど、本場ではタダで呼べるらしい。二回目もすぐ呼べるらしい。読んだらすぐ何人も来るらしい。しかも次回も明日とか、明後日とか、これまたすぐ来るらしい。
これは、もう、物量作戦みたいなもんですよ。コストの物量作戦だ!

CBTセンターも一応訪問カウンセリングをやらなくはないので、数人のセラピストが、tel即訪問して、・・・おお、試算しても、えらいことになる。

なんか、前置きが長くなってきたので、二回に分けます。
次はちゃんと研修参加の体験記になる予定。
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投稿者: 西川公平
2016-12-12 20:45

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