2007/06/09: 強迫性障害の認知行動療法2回目

基本的に2回目からは結構ケースバイケースな感じ。

家族が来てくれてたら家族心理教育することもあるし、解離とか、アスペとか、OCSDとか、そーゆーのが無いかをチェックすることもする。
もちろん1回目の説明で時間が足りなかったところをやるってのも多い。患者さんに話したい事がありすぎて、中々十分に説明の時間を取れない事も多いから、もしそうならアジェンダをしっかり引くといいんじゃないかな。

動機付けや外在化が上手くいってるかどうかによって、本日エクスポージャー課題を出せるかどうかが変わって来る。

①前回から今回までで何か代わったことが無いかのチェック
治療教育とか動機付けとかがばっちり出来てると、案外1回目の面接のインパクトは大きく、すでに生活を改善している人が多い。特に皆さんお気にいりなのは「治療の展望」で治療者の中にあるソレを垣間見たことで、絶望的未来感がなくなってる様子。
測ったことは無いけど、1回目と2回目ではかなり「ウツ」の度合いが違う気がする。1回目の面接と、1階目の成功したエクスポージャーはインパクトがでかい。今度何かで測って見てもいいな。

②書いてきてもらったモニタリング課題についてのチェック
チェックシートには沢山書いてもらうことがあるけど、強迫の人はまじめに沢山書いてくれる(症状処方?)。あるいはこーゆーセルフモニタリングとか、階層化とかの手続きそのものが「治療儀式」であり、フットインザドアであって、後のエクスポージャー成功につながるのだと思う。
Y-BOCSなどのいわゆるアセスメントは論文などには重要だろうけど、むしろ生活をどれぐらい不便にしているかがイメージしやすいセルフモニタリングの方が治療には重要。
モニタリングの内容を見ながら、これはどういうことですか?とか、ここは〜なんですか?とか、リアルな質問をする。ここを丁寧にしておくと間違いが無いというか、とても重要なプロセスだと思う。
多分治療者の中にあるOCDなる仮説概念と、患者さんの中にある生活不便が果たして同じものなのか、すり合わせをしているんだと思う。「こだわり」とか言われていたものに「強迫観念」だとか「強迫行為」だとか「回避」だとか名前を付与していく過程は任地再構成だといえよう。
大抵の患者さんは熱心に自分の症状を喋るし、熱心に聞いてもらう事を喜ぶ気がするので、雰囲気も良い。

しかし実際のところこの時点での病識や外在化はまだ不確かなので、モニタリングする力も低く、書いてもらっているものが全てだと思わないほうがいい。治療が中盤戦ぐらいになって患者さんから「私いつもこうやってるんですけど、ひょっとしてこれもOCDの症状ですか?」等と出てくることはよくある。

ゆえに階層化をしてもらうが、この階層化もそれほど現実とフィットしたものではない。この時点での階層化を今後全ての治療のベースにしちゃうのは、教科書風でいけてない。
階層化は二回目の中でやるか、二回目の課題かが多い。たまに物分りがよさそうな人が居るので、一回目のモニタリング課題の時に一緒に階層化も家でやってきてもらったりする。

階層化の主な目的は、①エクスポージャー前の準備体操、②動機付け&治療教育&外在化などの認知再構成、③アセスメント、かな?

上手くすればこの時点で治療者は大まかに患者さんのことがわかっているし、患者さんも大まかにOCDのことがわかっている。

③インフォームドコンセント
④ファーストエクスポージャーの設定と課題
**長いので別にまとめました**

⑤エクスポージャーシートの記入法の説明
使い方を説明する。特にどこにピークがあるのかを知りたいのでそこに重点を置いて下さいと伝える。個人的にシートを改造して、認知再構成が起こりやすくしている。
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投稿者: 西川公平
2007-06-09 18:16
カテゴリー: 強迫性障害

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