01/26: きせんやみ

茨城弁に「きせんやみ」という言葉があるらしい。
神経質、潔癖症、気の病、取り越し苦労をする人の事だそうな。

関連「癇性病み(かんしょうやみ)」

これは関西で言うところの「癇性病み(かんしょうやみ)」とか、徳島で言うところの「牛症病み(うっしょうやみ)」と似たような意味合いで、おおよそ強迫性障害の事かなと思う。
徳島大学の言語学者である仙波先生は「うっしょう」を鬱症か、牛症か語源を悩んでおられたようだが、強迫性障害という困りごとが持つ特徴である「反芻症状」を考えると、私は牛症を押したい。

さて、きせんやみだが漢字ではどう書くのかが諸説あり
「帰泉病み」だとすれば、帰泉つまり死ぬことをくよくよ悩むという意味とあるので、パニック障害に近い感じだろう。
「貴賤病み」だとすれば、キレイ・汚いにこだわる感じとあるので、強迫性障害に近い感じだろう。
もしこれが潔癖症を指すのであれば、後者を押したいところだ。

調べている最中にまた似た言葉で「へんきやみ」と言う言葉も見つけた。
これは津軽の言葉で、心配性で「他人のことを異常に心配する」という意味とあるので、社交不安に近いのだろうか。
これは変人の意味もあらわすようなので、漢字としては変気病みだろうか?偏気だろうか?と考えていたら、全然知らない言葉に出くわした。
「偏諱(へんき):貴人などの二字名の中の一方の字を忌(い)み避けること。また、その二字名の一方の字。」とあった。
そもそも「諱(いみな)」という文字に「口に出すことが憚られる」という動詞の意味がある
要するに、その文字は使用してはならない。口に出しても、書いてもいけないというタブーとして、偏諱の習慣が中華文化圏にはあったらしい。
こ、これは、縁起強迫ではなかろうか・・・!

ちなみに、以前「かんしょうやみ」という記事を書いたが、そのキーワードで検索をかけられることは続いている。
例えばこの1年間で37回検索ワード「かんしょうやみ」でうちのホームページがヒットしている。


本当は良く落語に出てくる癪(しゃく)や疝気(せんき)も心気症としてどうだろうと思わなくもない。
特に癪の治療法では、かなりプラセボ効果の高そうなものがそろっている。(ヤカンを舐めるとかw)
まあでも、昔の内科疾患治癒率も大抵低かっただろうし、そのあたり普通に盲腸とかでも癪になってそう。

ついでに言えば「方違え」とかいう行事も、たいてい強迫っぽい行事だ。
雰囲気的には風水系の縁起なんだろうが、きっと昔なら「方角強迫」みたいな人がいただろうと思う。現在ではないような縁起だ。

そんなことをぼんやり考えたりしてます。


精神疾患に関する日本の古い言葉や方言をひそかに収集してます。
こんな言葉があるよという方は、是非コメントください
投稿者: 西川公平
2012-01-26 03:28
カテゴリー: 古典

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