2011/04/24: 対人関係療法と、認知行動療法 〜その1

ひょんなことから対人関係療法について考えることになったので、まとめるために色々書いてみます。
最近では対人関係/社会リズム療法ってなってきているようですね。


社会リズム療法ってのは、・・・・まあちょっとこれを療法と呼ぶのは冗談かと思うのですが、生活リズムを整えていく技法です。昔ながらの行動療法のモニタリング技法かと思います。
ちょうど不眠症の認知行動療法なんかには生活リズムを整えていく技法がたくさんあるけれど、そのうち睡眠覚醒と食事と対人関係のみに絞った感じが社会リズム療法です。

対人関係療法は、およそ対人関係に絞って認知や行動を扱っているように見えるし、社会リズム療法は睡眠と食事に絞って認知や行動を扱っているように見えます。

一方でそのような的の絞り方は、結構妥当だなと思います。
正直対人関係こそが良くも悪くも我々人間の最大の関心事であり、歓びのもとであり、ストレス因でもあります。
また生活リズムは、睡眠覚醒系のリズムと食事系のリズムに影響を受けることが大きいです。実質認知行動療法は、対人関係/生活リズムの調整が主な介入になっている人は結構多く、そうすることは明らかに意味があると思います。

もう一方で、なんというか、勇ましいというか、それを全員のあらゆる困りごとに当てはめるのは少々乱暴なんじゃないかとも思います。
要するに、「ありとあらゆる人間の精神疾患は対人関係と社会リズムの調整で良くなる」的なイデオロギーは昨今流行らない宗教性を思います。一辺倒すぎるだろうと。

対人関係療法の勇ましさの感じは、ちょうど論理療法の勇ましさに似ていて、正しさの位置がトップダウンです。
論理療法ではラショナルが何で、イラショナルが何かということを“治療者があーだこーだ言う”ことが重要なポジションを占めてます。
同様に対人関係療法ではラショナルな対人関係が何で、イラショナルな対人関係が何かを治療者があーだこーだ言う事が多い様子です。
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投稿者: 西川公平
2011-04-24 22:15
カテゴリー: テクニック

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